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活性酸素がもたらす弊害については、細胞内の遺伝子を壊し、ガンの原因をつくるなど、一般にもずいぶん知られてきているので、皆さんもご存じだと思います。
では、活性酸素はどうして増えすぎてしまうのでしょう。 交感神経の過緊張により低体温になると、増えすぎた頼粒球が大量の活性酸素をつくりだしてしまうことは、すでにお話ししたとおりです。
しかしじつは、低体温が活性酸素を増やしてしまう要因は、もう一つあるのです。 それは低体温による酵素の不活性が招くものです。
前の免疫力について述べたところで、低体温になると酵素の働きが悪くなるとお話ししたのを思い出してください。 人間の体には、増えすぎた活性酸素を解毒するために、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)やカタラーゼといった活性酸素を解毒する酵素が備わっています。
こうした「抗酸化酵素」がきちんと働くことができれば、少々活性酸素が増えてもきれいに解毒してくれるので、病気になることはありません。 低体温は、その大切な抗酸化酵素の働きを悪くしてしまうのです。
つまり低体温の人は、体内の活性酸素が増えやすいうえ、活性酸素を解毒する酵素の働きが弱い状態にあるということです。 血流障害と酵素活性の低下は、健康を考えるうえで最悪の組み合わせです。

なぜならその状態は、体の機能すべてが低下してしまうからです。 体の機能が低下するということは、たんに病気になりやすいということにとどまらず、免疫システムに誤作動が生じ、新陳代謝も低下するということです。
「酸化老化」と考えられるのもこのためです。 私たちの日常生活は、さまざまな事情によって、つねに体にいいことばかりを優先できるわけではありません。
ときには体に悪いとわかっていても無理をしなければならないときもあります。 それでも、何が体によくて、何が悪いのか知っておくことはとても大切です。
なぜなら、わかっていれば、できるだけ健康的な生活を送れるよう工夫することができるからです。 睡眠は、健康を維持するうえでとても重要です。
睡眠に関してはさまざまなレポートや治験データがありますが、どれをとっても健康に寄与する睡眠時間は「最低七時間以上」という結果が出ています。 人間の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に繰り返される、というのはすでに述べたとおりです。
このノンレム睡眠からレム睡眠に移り、再びノンレム睡眠になるまでの一サイクルに要する時間は約九十分間。 自然な目覚めは、このサイクルごとにこれはあくまでも「理想」ですが、なぜこうしたタイムスケジュールが体にいいのか、それぞれの注意すべきポイントとともに詳しく見ていきましょう。
目覚まし時計をかける必要がある人は、理想は七時間半ですが、九十分のサイクルを考慮して、眠ってから四時間半後、六時間後、七時間半後といった時間に目覚ましが鳴るようにセットすると、比較的すっきりとした目覚めが得られます。 前にも述べましたが、規則正しい生活をすることは自律神経を整えることにつながるので、理想は毎日七時間〜八時間程度の睡眠をとることです。
でも、どうしてもふだん七時間以上の睡眠時間が確保できないという人は、土日など休日に充分な睡眠時間をとるようにしてください。 このときは、目覚まし時計をセットせず、体が要求するだけ寝ます。

体が欲するなら、九時間でも十時間でも寝てかまいません。 ただし、一度自然に目が覚めたのに、そのままごろごろしているうちにまた眠ってしまう「二度寝」はしないように気をつけてください。
二度寝は体によくありません。 まとまった睡眠が取りにくいという人は、二度寝をするのではなく、一度きちんと起きてから、午後に昼寝をすることをお勧めします。
もう一つ、眠るときに絶対にやめてほしいのが、明かりをつけたまま眠ることです。 私の患者さんに、四十代の若さで心筋梗塞を起こしてしまった人がいるのですが、会計士だったその人はもともと仕事が忙しかったこともあって、暗くすると起きられないからと、部屋の照明をつけたまま寝ていたのです。
これは体、とくに脳にとって大変悪いことなので、絶対にしないでください。 人間の脳は、目をつぶっていても目の奥にある網膜というところで光を感知しています。
そして、この網膜が光を感知しなくなることによって、脳の松果体というとこ電球をつけたまま寝てはいけないスペインやポルトガルには「シエスタ」と呼ばれる昼寝が生活習慣として定着していますが、昼食後の昼寝は、食事によって優位になった副交感神経を刺激するので、ハードな日常で交感神経過緊張になっている人の多い日本人には、ぴったりの健康法です。 そのため明るいところで寝ると、網膜が光を感知してしまうので、メラトニンが分泌されず、睡眠の質が落ちてしまうのです。

これは、大変なストレスです。 メラトニンは体にいまが活動すべき昼一なのか、休むべき夜なのかを知らせ、体内リズムを整えるという重要な作用をもったホルモンとして知られていますが、じつはもう一つ、とても重要な働きをもっています。
それは、脳と精子における抗酸化作用です。 わかりやすくいえば、日々、質のいい睡眠をとることで、脳の錆びと、男性の場合は精子の質の劣化が防がれているのです。
ですから、夜電気をつけたまま寝ていた会計士の人が心筋梗塞を起こしてしまったのも、もちろん睡眠の質の低下によるストレスが直接的には影響していますが、メラトニンの不足による脳の酸化も原因の一つだったと考えられるのです。 網膜はとても小さな光も感知するので、夜は真っ暗な環境で寝ることが大切です。
小さいお子さんなどがいると、怖がるからと小玉電球をつけたままにしている人もいますが、小玉電球でもメラトニンの分泌は抑えられてしまうので、子どもが眠ったら必ず消すようにしてください。 最近、若い男性の精子活性が低下してきているのも、不規則な生活による睡眠の質の低下が原因の一つとなっているのではないかと私は危倶しています。
睡眠の質を高めることは、自分の健康を守るだけでなく、次世代の生命を育むためにも大切なことなのです。 人間の体にとって一番いいのは、自律神経のリズムに合わせて日中活動し、夜に睡眠をとるという生活です。
しかし、仕事の都合上どうしても昼間に睡眠をとらなければならない人もいます。 そういう方は、雨戸を閉めたり、遮光のカーテンを使ったりするなどして、できるかぎり室内を暗くしましょう。
それでも光が漏れるようならアイマスクを使い、できるだけ網膜に光が届かない工夫をして眠るようにしてください。 部屋を暗くして寝ることに加え、もう一つ、寝るときに必ず守っていただきたいとても大切なことがあります。
それは、きちんと体を横たえて眠るということです。 忙しい人の中には、車や電車、飛行機の中など移動時間が睡眠時間になっているという人がたまにいますが、体をきちんと横たえて眠らないと、深刻な病気の原因にもなりかねません。
なぜなら、睡眠には脳を休ませるということのほかに、「体を重力から解放する」という重要な目的があるからです。 私たち人間は、起きている問は、立っているにしろ座っているにしろ、つねに重力に逆らっています。
そのため、その間は体を支える背骨にかなりの負担がかかっています。

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